2008年05月19日

演出家より その2〜「山吹」上演にあたって

<はじめに>
 鏡花氏の戯曲上演も四作目をむかえました。なんか、このまま全戯曲の舞台化を知らず知らずのうちに成し遂げてしまいそうです。いや、その気になって全作品上演に挑戦してみようか、そんな気持ちが小さくではありますが、私の心の裡に芽生えつつあるようです。



<三人だけの世界>
 さて、「山吹」は登場人物21〜22人の芝居です。21〜22人と幅があるのは、鏡花氏が 村の人々、14〜15人と書いてあるからです。ですが、実質的には洋画家、縫子(子爵夫人)、人形使の3人で<世界>が成り立っています。



<小さなことからコツコツと>
 演出するにあたってのポイントとはならないかもしれないだろうけど、安易に見過ごせないようなことのメモです。ギモンとか気付いたことです。

•この芝居の山吹の花は、なぜ<山吹色>ではなく<白>なのか。
•この芝居の主人公は縫子ではなく洋画家かもしれない。
•「紅玉」と同一のテーマがまるで表裏のように奏されている。
•サドマゾ的性倒錯の芝居としてはわが国初だろう。だが、そうとらえると何かマチガイをおかしそうだ。
•人形使の人形が静御前である意味。
静御前が身ごもった義経の子を頼朝によって亡きものにされ(実ることなく)入水自殺したのは山吹の咲きほこる初春であり、亡骸として舞台に存在感を放つ腐った鯉、果実を実らすことのできない植物<山吹>のタイトル命名、ジェンダーとしての静と縫子の存在など、静御前の白拍子人形が暗示するものは少なくない。
以上の五点は、最近(4/29現在)気になっていることにすぎません。解釈や判断を要求されるようなことが多々有るのです。


つづく


2007年6月 遊劇体♯44「天守物語」より

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posted by 遊劇体ニュース at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ♯46「山吹」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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